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動物愛護団体 ドッグレスキュー熊本 代表 生松義浩氏

2016年6月16日

4月に発生した熊本地震。人間はもちろん、ペットたちも震災の影響は大きく、脱走してしまった、家に残してきてしまった、避難所に連れて行けない・・・など。実際の現場ではどういう問題が起きていたのか。ドッグレスキュー熊本の生松代表にお話を伺ってきました。

 

 

-先日起きた熊本地震では大変でしたね。

全く予想してなかった突然の地震で、正直いざとなるとすぐには何の対応もできませんでした。1度目の大きな地震でもこれは大変なことになると思っていましたが、2回目の本震では正直心が折れそうで、その直後は余震もありなかなか動くことができませんでした。

 

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-人間はもちろんですが、ペットも大変な状況だったと聞いてますが・・・

いろいろと考え方はあると思いますが、まずは何より人命だと思います。飼い主である私たち人間の命、そして生活が成り立たないとペットどころではありません。そういった意味では究極の状況でどう対処したらよいか、いろいろと課題が山積みとなりました。そんな中で、私たちドッグレスキュー熊本でどういったことができるか、震災直後から今に至っても自問自答を繰り返しながら、生活しています。

 

-今回の震災でペットの問題はどういったことがありましたか。

まず行政が推奨している震災時でのペットとの同行避難が全く浸透していないということです。実際こういう震災の際にペットと一緒に避難するべきということは一体どれだけの人が知っていたでしょうか?ほとんどの人が知らなかったんじゃないでしょうか。何よりその前に、震度7という大地震の中でどこにいるかわからないペットを見つけ出し、外に避難することが可能かどうかということです。おそらく震災直後はペットは大パニックになります。平常心ではいられません。今回の震災で普段は飛び出さないような犬や猫たちも外に飛び出して行方不明になった動物がどれだけいたか・・・。そういう状況で同行避難ができるかということは今回の状況を基に考え直さなければなりません。同行避難できずに、いなくなったペットたちをどう各自治体が連携をとって探していくか。今回はそこにも大きな課題が出ました。

 

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-本当に難しい問題ですね。行政との連携や統率はやはり必須ですよね。

獣医師会を中心とした災害時のペットのマニュアルというものも存在しています。私も拝見しておりましたが、やはり震災直後での対応についての詳細にはあまり触れられていませんでした。ペットに関しては聞くところによると、東北での震災の状況と全く同じ課題がこの熊本でも出てしまったようです。究極の人間の生死を意識させる震災時にどうペットと向き合い、そしてどう避難するか真剣に考えていかないとまた繰り返してしまいます。今回の震災の生の声を反映した対策を考えないといけません。

 

-避難生活においてはどのような課題が挙がっていますか?

まずは根本的に同行避難という定義の中で考えれば、各避難所でペットをどう受け入れる体制になっているかということです。一部ではペットの受け入れを禁止した避難所も出てきて問題になったり、行政の中でもこの定義自体の認識も薄かったようです。そして究極の状況で避難した体育館や公民館の中、ペットが嫌いな方もいる中でどう生活していくか、どこまでペットを連れて入っていいのか。そしてペットと一緒に避難生活できるところを作るのであれば別にどこに設けて誰がどう案内するのか。一旦ペットだけを私たちのような愛護団体や行政の管理センターに預けるとすればどこにあるのか、そしてそのことを誰がどう案内するのか。私たち側からすれば、どの程度の被災を基に受け入れるかも難しいところです。電話があったものをすべて受け入れていったらおそらく800頭は抱えていたことになるでしょう。もちろん、そこまで収容できるキャパもありませんので、完全倒壊などどうしようもないところを基準にはしましたがそれでもあっという間に30頭、40頭となっていきました。まずはこういう事態になったときに誰がどう統率するかとても大事なことだと思います。

 

-支援物資についても問題になっていましたね。

支援物資もどこを拠点に集めて、どこに誰が分配するのか全く決まってませんでしたので、支援物資がありすぎるところと全くないところの差がかなりあったように思います。私たちはフェイスブックやSNSを利用して少しだけ案内して、今回は熊本への配送が丸1週間は止まっていましたので、犬吉猫吉さんにも中継地点として協力いただき、かなりの数の支援物資が集まりました。集まりすぎたところもありましたが、これも2ヶ月・3ヶ月先はどうなっているかわかりません。今回の震災は少々長い時間がかかると思っていますので、直後だけでなく数か月後に支援物資をいただくと助かると思います。

 

-震災があったときに困らないよう、私たち飼い主が日頃から気をつけておくことはどういうことですか?

避難所での生活でいえば、まずは無駄吠えや粗相など基本的な問題が出たようです。要は私たち飼い主のモラルの問題です。究極の生活の中でペットも同じ命を持った生き物だということはもちろん理解していますが、無駄吠えが続く中でみんなに迷惑をかけながら体育館で生活はできないですよね。そうならないように普段からしつけなど基本的なマナーアップが必要です。そして今回感じたことはケージの中に入れられたり、外でつながれておくことに慣れていないペットがほとんだだったということです。慣れてないケージでの生活でほとんどのペットはストレスから下痢ばかり。こういう避難時にそういったケースでの生活が想定されますので日ごろから慣れさせておくこと、また普段から人間とペットとのスキンシップも大事だと思います。もちろん震災がありペットもストレスを感じてナーバスになっているとは思いますが、全く慣れていない犬はリードをつけることもさせない、ケージに入れることもできないなど非常に苦労させられた犬も多くいました。

 

-ケージの中というのは、私もあまり入れたことがないかもしれません・・・。

今のペットたちは何となく過保護に育てられているなという感想です。避難時にはこのドッグフードしか食べさせないで・・・なんてとても難しい話です。どんなところでも生きていかないといけませんので、ある程度強く育てるということも大事です。いろいろな犬との接触もでてきますので、しつけやマナー、そして何よりまずは狂犬病・フィラリア予防等ワクチン、ノミ対策など当たり前のことをしっかり日ごろからケアしておいてほしいですね。

 

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-今からが長い戦いのスタートといってもよさそうですが。

おっしゃる通り、完全復旧となると、とてつもなく長い道のりになります。私たち人間のことはもちろんですが、今私が置かれているドッグレスキュー熊本という立場からすれば、とにかくできることを一つひとつ積み重ねていくだけです。とにかく今は直後で支援物資等助かっているところはありますが、数か月後にはなくなります。また今後様々な問題で飼えなくなったペットや長期で預からざるを得ないペットたちの問題が出てきます。そんなときに何かできることはないかと、気にかけていただき長期的な支援で協力していただければ幸いです。

-本当にありがとうございました、頑張ってください!

 

動物愛護団体 ドッグレスキュー熊本
菊池郡菊陽町原水2861-1ひなたぼっこ内
TEL. 096-233-9119
http://www.setup-jp.net/drk/

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