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NPO法人セブンデイズ 理事長 上村光康氏

2016年4月28日

ペット複合施設の経営、NPO法人の創設、ブリーダー代表、そしてジャパンケンネルクラブの会長職に公認審査・・・など様々な業界人の顔を持つ上村さんに、活動の内容や業界についていろいろとお話を伺ってきました。

この業界に携わったきっかけを教えてください。

もともとは犬にとても興味があって趣味程度に携わってはいたんですが、大学卒業後にコリー&シェルティ犬のクラブに入りました。昔からよく言われる「犬を飼う人に悪い人はいない」ってありますよね。そんな言葉が頭にあって、そういう人たちと一緒に仕事がしたいなと思ってたのですが、現実は違いましたね。どこでもそうですが良い人もいれば、信じられないくらい悪い人もいましたね(笑)。将来を見据えて東京に修行にいきましたが、そこでまさにいろいろな業界の悪習を垣間見て、このままではいけないと熱い思いを持ったのが、今の私の活動の原点なのかもしれません。いろいろと業界にそして犬に理解のない人たちを見返したい、そしてこのペット業界自体を変えたいと本当に思いました。

上村さん

 

その一歩としてブリーダーを開業されたんですね。

業界の悪い風習に勝利したいという意味、そしてどんな犬にも負けないブリーディングをするという意味を込めて「ビクトリーロードうえむら」という犬舎名にしました。まずは結果を出さないと良いことを言っても誰も振り向いてくれないと思っていましたから、ショーの世界でどうやったら勝てる犬に育てられるか必至で勉強しました。時には厳しい修行にもでていろいろなことを学びました、どういう食事を与えたらいいか、どんな生活すればよいか、どういうトレーニングをすればよいかいか・・・など。繁殖をしながらショーの世界で勝てるような犬も育てていきました。そして、その努力が徐々に実を結び、チャンピオン・グランドチャンピオン犬も輩出できるようにまで成長していきました。熱い思いをもって、やり続けることで夢は叶うと思いました。

 

(社)ジャパンケンネルクラブでの活動も教えてください。

ビクトリーロードうえむらでの活動が業界でも徐々に有名になり、そして認められて30年前にジャパンケンネルクラブ(以下JKC)に入り、本格的に活動の拠点を移していきました。地元での愛犬クラブ、そして福岡県クラブの連合会長、九州ブロックの副会長、公認審査員等いろいろな役職も頂きました。ご存知の通りJKCは、唯一日本で認められている国際血統書発行団体です。そしてもうひとつ大事な使命があります。犬には様々な種類がありますが、その犬種ごとに骨格や体重、筋肉のつき方・・等どうあるべきかということを残していく義務があります。ミニチュア・ダックスフンドは足が短く一見とても可愛い犬です。ただもともとは猟犬ですから、その性格にはもちろんその本能があります。時にはその本能が人間と生活をしていくうえで障害になりうることもあり得るということです。きちんとした知識と付き合い方をすれば全く障害になることはありません。でもその無知な飼い方が本当に問題で、そういう無知な飼い主さんが増えていることはとても悲しいことです。ブリーダーやショップで子犬を販売する際にそういう犬の性格や飼い方の指導ができているのか・・・などJKCが率先して活動をやっていくべきだとも思っていますし、そういう活動ができる団体だとも思っています。もっともっとJKC自体もこの業界のためにいろいろな努力をしていかなければなりません。

 

JKCの大きな祭典が九州でも今度開催されるとお聞きしましたが・・・

九州で最大のFCIインターナショナルドッグショーというイベントが11月8日(日)に開催されます。今回は福岡の香椎アイランドシティ10周年記念イベント期間のその一つとして、福岡市東区香椎での開催となりました。日本はもちろん世界からいろいろな有名犬種が集まり、いろいろな犬種としてこうあるべきというスタンダード、いわゆる犬の基本を競い日本一の犬が決まります。ドッグショーの祭典はもちろんですが、それ以外にもドッグダンスのデモンストレーション、獣医師の無料相談会、犬吉猫吉のお散歩ウォッチングなど愛犬家がゆっくり楽しんでもらえるイベントになっています。業界者や関係者だけが集まるイベントではありませんので、ぜひ楽しんでもらいたいと思っています。

 

グリーンハートやNPO法人での活動も教えてください。

ペットの複合施設「グリーンハート」は筑紫野にあります。ペット愛好家がゆっくり楽しめるようにドッグラン、トリミング、ホテル、ミニカフェ、動物病院など様々な施設があります。最近では同施設にNPO法人を立ち上げて、以前から活動しているシェルターと動物病院をNPO法人セブンデイズとして改めました。これは先ほどのJKCでの話にもありましたが、とても犬に対して無知な飼い主さんが多く、こんな犬だとは思ってなかった、こんなに大きくなるとは思わなかった、吠えたり噛んだりしてとても飼えない・・・と飼育を放棄する方がとても多い。被害者面した人間の身勝手な行動で一番の、そして本当の被害者はもちろん犬になるわけです。被害という簡単な言葉だけでは済まされません、時には殺処分される場合もあります。私はグリーンハートという複合施設の代表、そしてJKCという業界団体の1人として何ができるか、この業界の危機を乗り越えるべくNPO法人を立ち上げ、シェルター活動をすることにしました。保健所に入っている殺処分を目前に迎えた犬を引き取り、その犬を改めて人間と一緒に生活できるようにしつけ・飼育し、新しい飼い主を探すシェルター活動にはもちろんお金もかかります。やはり残念ながら気持ちだけではこの保護活動はなかなか難しいのが現状です。そのお金を同NPO団体の動物病院で、そしてグリーンハートという複合施設で捻出できるようにしていきたいと思っています。

 

今後の業界についてのご意見をお聞かせください。

私1人が簡単にこの業界を変えていくと言ってもごく小さい力です。こういう時だからこそ、この業界に携わるいろいろな企業・団体が手を取り合い一致団結していく必要があると思います。業界の悪いところを正していく、根本的に変えていかなければ何も変わりません。一過性のものではなく、習慣とし、システムとし、そして文化に変えていかなければなりません。身勝手な飼い主を増やさないためにも、私たち業界の人、お店の人、ブリーダーがきっちり犬を指導できる知識も持ち、そのことを飼い主に伝えていかないといけないと思います。極端に言うと、命を扱う職業をしている以上ある程度の資格、許可が行政的にもあればいいとも思っています。子供に対して悪いことは悪いというように、犬にも、そして時には飼い主にも誰かが指摘しなければなりません。その誰かに私はもちろんですが、若い人たちもどんどん熱い思いをもって業界活性化につながる活動をしてほしいと思います。みんなで協力しあって業界を良くしていきましょう!

 

ありがとうございました。